1989年から1995年迄、200人台で増加してきた弁護士人口は、司法改革が議論され始めた2001年頃から一気に増加し、直近の2008年と2009年の両年だけで4,000人を超える増加となっています。この10年間で実に62%の増加率です。
日弁連はそのシミュレーションで2020年には約55,000人になると予測しています(あと10年で現在の2倍以上!)。2030年頃には、約79,000人になるようです。
(以上、日弁連「弁護士白書」2006年版14~15頁より)
| 年 | 正会員数 | 増加数 | 年 | 正会員数 | 増加数 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1994 | 14809 | 213 | 2002 | 18838 | 595 | |
| 1995 | 15108 | 299 | 2003 | 19508 | 670 | |
| 1996 | 15456 | 348 | 2004 | 20224 | 716 | |
| 1997 | 15866 | 410 | 2005 | 21185 | 961 | |
| 1998 | 16305 | 439 | 2006 | 22021 | 836 | |
| 1999 | 16731 | 426 | 2007 | 23119 | 1098 | |
| 2000 | 17126 | 395 | 2008 | 25041 | 1922 | |
| 2001 | 18243 | 1117 | 2009 | 27150 | 2109 |
※日弁連「弁護士白書」2008年版 78頁
このような弁護士人口の増加にもかかわらず、地方裁判所の民事第一審訴訟の新受件数は2000年に比べてほとんど増えていません(+0.5%のみ)。これに対して弁護士1人あたりの訴訟事件数は21.7%減少しており、弁護士1人あたりの訴訟需要も33.1%の減少となっています(全国平均)。
この傾向は、特に東京や大阪を中心とした大都市で著しく、弁護士が地方よりも大都市とその近郊を中心に急増している事実を示しています。
| 弁護士一人あたりの 訴訟事件数 |
(2000年比) | 弁護士一人あたりの 訴訟費用(万円) |
(2000年比) | |
|---|---|---|---|---|
| 全国平均 | 6.76 | (-21.7%) | 13,022 | (-33.1%) |
| 東京 | 3.09 | (-23.7%) | 9,192 | (-36.7%) |
| 神奈川 | 9.08 | (-20.9%) | 14,891 | (-34.8%) |
| 埼玉 | 13.21 | (-30.2%) | 20,572 | (-38.0%) |
| 大阪 | 5.66 | (-20.5%) | 11,389 | (-48.1%) |
| 京都 | 9.64 | (-24.6%) | 19,584 | (-38.6%) |
| 兵庫 | 14.57 | (-15.4%) | 17,774 | (-49.9%) |
※日弁連「弁護士白書」2008年版 45頁
弁護士全体の平均収入・所得も減少していく傾向にあります。右の表をご覧下さい。
収入とは、弁護士1人あたりの総売上を指し、所得とは、総売上から経費を控除した額をいいます。2004年に3,624万円であった売上が2008年には3,397万円となり、4年間で6.7%減少しています。平均月収は約133万円となりますが、この中から弁護士個人の税金や保険等が控除されます。
| 2004年 | 2006年 | 2008年 | |
|---|---|---|---|
| 収入 | 3,624 万円 | 3,453 万円 | 3,397 万円 |
| 所得 | 1,654 万円 | 1,632 万円 | 1,598 万円 |
※日弁連「弁護士白書」2008年版 195頁
下の表は司法修習修了者の就職状況です。2005年修了の58期で13人だった進路未定者が、60期では100人を超し、61期では122人となっています。大都市では、就職先が決まらないため、いきなり自宅で独立して業務を開始する弁護士を意味する「タク弁」・「ソク弁」などという言葉さえ生まれています。
| 修習期 | 修習修了者 | 裁判官 | 検察官 | 弁護士 | 進路未定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 58期 | 1,187 人 | 124 人 | 96 人 | 954 人 | 13 人 |
| 59期 | 1,477 人 | 115 人 | 87 人 | 1,223 人 | 52 人 |
| 60期 | 2,376 人 | 118 人 | 113 人 | 2,043 人 | 102 人 |
| 61期 | 2,340 人 | 99 人 | 93 人 | 2,026 人 | 122 人 |
市場(パイ)が拡大していないのに、弁護士だけが増加すれば、1人あたりの訴訟需要や収入、就職先も減るのは当然でしょう。
これからも弁護士人口は増えるのは確実ですから、市場の開拓は喫緊の課題です。