投稿日:2010年5月 7日 18:29 カテゴリ:業務効率改善
法律事務所を経営するにあたって、収入と支出をまったく見ないという方はさすがにいないでしょう。1カ月、1年という単位で把握されていると思います。
では、受任事件件数、受任事件1件あたりの単価、受任から報酬受領までの期間といった数字についてはどうでしょうか。おそらく、把握されていない方が多いのではないでしょうか。
顧問契約や一定期間ごとにタイムチャージを請求するという場合を除いて、着手時と事件終了時にしか、お金が入ってこない構造になっている事務所が多いと思います。そうだとすると、事務所経営を安定させるには、(1)顧問契約から得られる収入を増やす、(2)1件あたりの単価を上げる、(3)新規の案件を増やす、(4)事件終了までの時間を短縮する、のいずれかの対策が必要となります。
いずれの対策を行うにしても、過去のデータを前提として、具体的な数字で目標を設定すべきでしょう。
京セラの稲盛和夫氏は、著書「稲盛和夫の実学」で、「企業経営が飛行機の操縦なら、会計データはコックピットの計器盤である」としたうえで、「計器盤がなければ、今どこをどちらへ飛んでいるのかわからないわけだから、まともな操縦などできるはずがない。」と述べています。これは、企業経営だけに限った話ではないと思います。
弁護士にとっての大事は市民の権利保護であって、経営は二の次、という考え方も理解できないではありませんが、弁護士としての業務と法律事務所の経営を分離しない(できない)のであれば、やはり真剣に数字と向きあうべきだろうと思います。
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