投稿日:2009年9月 9日 13:16 カテゴリ:法律事務所の立地論
今回から新しいテーマとして、法律事務所の立地について考えていきたいと思います。
タイトルからして衝撃的(?)ですが、大阪府内の法律事務所の6割以上が大阪地裁から半径500m以内にあるという事実について、どう感じられるでしょうか。ちなみに、半径1kmまで広げると、実に8割の事務所がその圏内に収まることになります。
以前から、感覚的に集中度が高いとは思っていましたが、実際にデータを確認したところ、大阪府内の法律事務所が約1,400件あるのに対して、500m圏内に約880件、1km圏内に約1,100件が立地しています。他の地域についても調べてみましたので、結果は以下をご覧ください。東京地裁の周りは官庁街ですので、多少割り引いて考える必要がありますが、大阪の集中度が突出しています。
地裁 | 半径500m | 半径1km |
---|---|---|
大阪 | 約880件 | 約1,100件 |
東京 | 約15件 | 約550件 |
京都 | 約100件 | 約150件 |
神戸 | 約110件 | 約130件 |
横浜 | 約230件 | 約280件 |
法律事務所は、コンビニやスーパーのように「近くにあるからそこを選ぶ」というものではありません。隣接士業でも、法務局の近くに立地する司法書士事務所や都道府県庁の近くに立地する行政書士事務所は多いですが、集中度という点ではそこまでではないと思いますし、税理士事務所や社会保険労務士事務所は必ずしも税務署や労働局の近くにあるわけではありません。
確かに、業務の面で裁判所に行く機会が多いだけに、立地を検討するにあたって裁判所への移動コストを最重要視する弁護士の心情も理解できないではありませんが、今後はそれ以外の要素を考える必要があるのではないかと思います。
次回以降、法律事務所の立地について、さらに検討をしてみたいと思います。
トラックバックURL:
コメントする