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投稿日:2009年7月 8日 12:00  カテゴリ:法律事務所命名考

法律事務所名に地名を入れることのメリット・デメリット

 法律事務所の命名方法として最も多いのは開設者の氏名を入れたものですが、次に多いのは地名を入れたものです。法律事務所は一般的に裁判所の近くに立地していますので、各地の地方裁判所の名前として使用されている地名(大阪地方裁判所でいうと「大阪」)が法律事務所でどのくらい使われているか、調べてみました。

 地方裁判所の本庁は、全国に50か所ありますが、結果は以下の通りです。

○○法律事務所がある地方(12か所)
東京、横浜、さいたま、静岡、名古屋、津、大阪、京都、神戸、大津、広島、高知
○○中央法律事務所がある地方(21か所)
札幌、仙台、秋田、東京、横浜、千葉、宇都宮、長野、新潟、名古屋、富山、大阪、京都、神戸、広島、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、宮崎
○○総合法律事務所がある地方(8か所)
札幌、旭川、千葉、宇都宮、京都、奈良、熊本、鹿児島
○○綜合法律事務所がある地方(5か所)
東京、横浜、千葉、静岡、大阪

 さらに、地方裁判所の名称が、都道府県名と異なるところについては、都道府県名を冠した法律事務所についても調べてみました。結果は以下の通りです。

○○法律事務所がある地方(2か所)
栃木、愛媛
○○中央法律事務所がある地方(2か所)
埼玉、群馬
○○総合法律事務所がある地方(4か所)
岩手、神奈川、埼玉、愛知

 この結果をみると、今からでも付けることができる「地名+法律事務所」が意外に多いことに気付きます。どこの弁護士会に所属していても、弁護士は全国どこでも仕事をすることができますが、事務所は所属弁護士会の管轄地内にしか置くことができません。その意味で、土地に密着した事務所名を付けることはマーケティングにとっても有効だといえます。また、ホームページを持つことを考えると、東京法律事務所は、「東京 法律事務所」での検索に強いといえ、その意味でも効果的です。

 ただ、地名を付けた法律事務所にはデメリットもあります。上記のような大きな地名であればさほど問題はありませんが、「神保町」「曽根崎新地」といった地名を付けると、移転の際に悩むことになります。
 また、業務を拡大し、他の地域に支店を出す際にも、「弁護士法人東京法律事務所大阪事務所」では、わかりにくくなってしまいます。このような場合には、弁護士法人名を地名と関係ないものにして、「弁護士法人○○大阪事務所」のようにするのがよいでしょう。以前の事務所名のネームバリューが使えなくなるものの、混乱は防ぐことができます。従来の「東京法律事務所」は弁護士法人名とは別に、法律事務所名として存続させることもできます(法律事務所の命名ルール参照)。

 次回は法律事務所名に専門色を出すことのメリット・デメリットについて考えます。

 

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