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事務所情報の発信(広報・PR)とコスト

1 事務所案内

事務所について知ってもらうための基本ツール。

内容

事務所案内がまだ準備されていない事務所の場合は、以下の項目を取り入れながらパンフレット、冊子を作成する。

  1. 事務所概要
  2. 取り扱い分野
    ※「弁護士の業務報告に関する規程」第3条の趣旨により、「専門分野」、「専門家」、「得意分野」などの表現は控えなければならない。
  3. 過去に取り扱った事件、実績
  4. 弁護士の著書、論文
  5. 顧問弁護士による法務サービスの勧め
  6. 弁護士費用
費用の目安

A4のコート紙 12ページ、カラー印刷5,000部の場合、1部210円

2 ホームページ作成、改善

インターネットを利用した法律事務所の検索・比較は、今後も増えると予想されるため、ホームページは必須といえる。ホームページからの集客を重視しない場合であっても、顧客が連絡先や事務所へのアクセス方法の確認等のために事務所ホームページを閲覧することが多いため、ぜひ作成すべきである。
作成後は、アクセス状況の分析などを行い、継続的なホームページの改善を行うことが望ましい。また、SEO(検索エンジン最適化)や検索エンジン連動広告などを利用し、ホームページへの来訪者を増やす対策も検討する。

内容

掲載内容は、事務所案内をベースにしつつ、最新の情報を随時掲載していくことが望ましい(ニュースレター・メールマガジンの内容の流用、ブログの設置など)。

費用の目安

新規に作成する場合、トップ・事務所概要・弁護士情報・報酬規程・問い合わせの5ページ構成で20~80万円程度。この他に、サーバー代などが年間数万円程度かかる。
現在のホームページに内容を追加したり、新たにブログなどの機能を追加する場合は、内容に応じて数万円~50万円程度。見直す箇所が多い場合には、全体を作りなおしたほうが安くなる場合も多い。

3 ニュースレター

事務所発行のマンスリーニュース(新聞)。顧客に親しみをもってもらい、継続的な信頼関係を築くことを目的とする。継続的な信頼関係を築くことで、ニーズが発生したときに声が掛かりやすくなる。
郵送するほか、FAXで送付する方法もある。

内容
  1. 営業色のない内容
  2. 顧客にとって利益になる情報提供
  3. 弁護士や事務職員などのパーソナル情報

※忘れられないようにするためには、頻度を保つ(最低月1回)
※最低1年間は継続しないと効果がない

費用の目安

コピー機を使用した場合…約5~15円/A4 1枚あたり(メーカーにより違いあり) + 発送費用(80円~)
※ 大量に発送する場合には、印刷業者を利用したほうがコストを下げられ、印刷の質も高くなる。
FAXによる送付の場合、送付元である事務所のコストはほぼゼロだが、送付先にコストが発生するため、注意が必要である。

4 メールマガジン

ニュースレターと同じ効果を持つが、ターゲットがより広い点、製作の手間と費用がほとんどかからない点で優れている。ただし、送付先のメールアドレスを取得するのが難しい点、一覧性に欠ける点、受け手が簡単に削除できる点にデメリットがある。

5 セミナーの開催

特定の業界・団体をターゲットにして、弁護士が、その業界の抱える法的問題や最新の法制度の紹介などをテーマにセミナーを行う。セミナー参加者に弁護士の人柄や能力をアピールし、受任につなげる。

課題は、

  1. どのような業界・団体をターゲットとするか(ターゲット選定)
  2. ターゲットに対し、セミナーへの参加をどのように呼びかけるか
    (セミナー集客)
  3. セミナー参加者をどのようにして顧客にしていくか(アフターフォロー)

の3点である。

費用の目安

セミナーの集客を自事務所で行う場合には、案内の作成・配布(発送)・参加確認等の業務が発生し、それに伴い費用も発生する。

セミナー会場を外部で借りる場合、3時間(準備~本番~後片付け)で、3~10万円程度。必要な機材(音響・プロジェクター等)、飲食の用意などによって追加費用が発生する可能性もある。

6 無料法律相談会
(弁護士会主催、地方自治体主催、大学等の団体主催、自己主催)

普段、弁護士と接することのない市民に接することができ、新しい顧客獲得の足がかりとなる。

7 書籍出版

書籍の購入者だけでなく、書籍の広告・宣伝を通じて知名度の向上が期待できる。題材の設定、出版社とのコネクションが重要。

8 ビジネスイベント(企業間交流会など)

9 プレスリリース

書籍の出版、講演・セミナーの実施などをメディアに対して情報提供し、掲載を狙う。情報にニュース性があることに加え、メディアとの関係構築が重要となる。

10 メディア対応

新聞・テレビ・雑誌などからのコメント要請に応じたり、法律監修などを行う。メディア側も問い合わせに快く応じてくれる弁護士はリスト化し、優先順位を付けて問い合わせをしているため、一度対応すると繰り返し連絡が来ることが多い。
事務所名・弁護士名などを記事に入れてもらえるかどうかで宣伝効果が変わってくるため、確認しておく。

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