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法律事務所における営業2

3. アプローチ(営業ツール)

存在に気づいてもらう、あるいは興味をもってもらうことを目的とする活動である。この段階において重要なのは、目を留めてもらうことである。キャッチコピーであったり、デザインや色使いに工夫を凝らすことが必要となる。
多くの宣伝物がその場でごみ箱に捨てられてしまう中で、

  1. 見出しを読ませるにはどうしたらよいか
  2. (見出しに続いて)詳細を読みたいと思わせるにはどうしたらよいか

を真剣に考える必要がある。

方法としては、以下のようなものが代表的である。

(1) ダイレクトメール(DM)

紙面に自由な表現ができるので、情報量、見栄えの点で優れている

※封書でのDMは、開封する面倒を相手に強いることになり、誰の目にも触れることなく破棄される可能性もあるので、A4版の厚紙1枚などをメール便で送付するなど、一目で情報が飛び込んでくる方法が効果的。封書で送る場合は、透明な封筒を利用すると、中身が見えるため、開封してもらいやすくなる。

○メリット
誰かの目に触れる可能性が高い
写真、レイアウト、色彩など工夫しやすい(自由な表現)

○デメリット
品位のあるものを作るには、デザイン・文面等の配慮が必要であり、時間がかかる。事務所内にデザインができるスタッフがいない場合は外注が必要となる
印刷や送料などのコストがかかる

○費用の目安
印刷料金…A4両面フルカラー1,000枚で1~2万円(原稿をデータで入稿できる場合)
発送料金…1枚につき80円(メール便)
透明封筒…1,000枚で5,000~8,000円
※他にデザイン費用などが必要

(2) FAX DM

案内内容をFAXで送信する。DMに比べると情報量、見栄えの点で劣る半面、作成に時間がかからないため、送り先の求める最新情報(新法令や判例など)をコンパクトにわかりやすくまとめたものを送付するのがよい。できれば、送ってよいか、誰宛に送ればよいかをあらかじめ電話で確認してから送るのが望ましい。

○メリット
誰かの目には触れる
DMほどではないが、全体のレイアウト等の工夫ができる
DMよりは低コスト

○デメリット
モノカラーである
送り先の経済的負担が生じる(紙・インク代等)
住所や電話番号に比べるとFAX番号の入手が難しい
送信中はFAXが使用できなくなる

○費用の目安
送信料金…1件につき10円程度

(3) 事務所案内

事務所概要や取り扱い分野だけでなく、法律事務所(弁護士)利用のメリットを組み込んでおくことで、簡易プレゼンツールとしても利用できる。

  1. 事務所概要
  2. 所属弁護士情報
  3. 取り扱い分野
  4. 過去に取り扱った事件、実績
  5. 法律事務所利用のメリット
  6. 料金の目安

※料金の目安については、「法律相談30分5,000円」のような紋切り型の内容ではなく、「事情をおうかがいし、弁護士を利用すべき問題かどうかを判断させていただくのに約30分(5,000円)、ご相談内容に回答させていただくのに約1時間(10,000円)程度かかります」など、利用者の視点に立った記述が求められる。

○費用の目安
印刷料金…A4版8ページフルカラー1,000部で4~6万円(原稿をデータで入稿できる場合)
発送料金…1枚につき80円(メール便)
透明封筒…1,000枚で5,000~8,000円
※他にデザイン費用などが必要

(4) ホームページ

事務所案内の内容をベースに、最新の情報を随時掲載する。認知・興味に重点を置くのであれば、ホームページにどのようにして潜在顧客を誘引するかを考える必要がある(検索結果の上位に掲載されるようにする対策(SEO)、検索結果連動広告の利用など)。

(5) 見開き名刺

事務所案内の内容を見開き型の名刺にまとめたもの。通常の名刺と比べて目に留めてもらいやすく、簡易のプレゼンツールとしても利用できる。

(外側)

(内側)

佐藤弁護士は、事務所のホームページに中小製造業向けの項目を追加するとともに、事務所の案内を中心としたダイレクトメールを1000部作成し、発送してみることにした。
何らかの反応があるのではと期待して発送してみたものの、1カ月経っても反応は過去クライアントから「見たよ」という電話をもらった程度で、新規の案件にはつながらなかった